【活動レポ】第2回 「すずかに暮らす私たちの多文化理解」開催!


多文化共生深堀り講座第2回は、主に鈴鹿市で多文化共生、
外国人住民に関わっている7団体の方をお招きして、
「多文化共生」の現状、課題について熱く意見を交わしました。
最初に自己紹介、団体紹介を兼ねて、「外国人住民と接する中で感じていること」をお聞きしました。

…言葉の問題がある。子ども食堂や学習支援に外国の人たちも来られるが
 コミュニケーションがうまくとれない。鈴鹿市には翻訳機が1台しかなく持ち出しができない…。
…大学に留学生が多いが、生活のなかで日本人との関係に悩みを抱えている。
 アルバイトをするにも人間関係で悩んでいる人が多い。
…日本に暮らす外国の人たちが「自立」するために何ができるか。
…学校以外で子ども達が悩みを話せる場をどうやってつくるか。学校教育に入っていて感じている。
…日本に暮らす外国の方の高齢化が課題である。福祉、介護、医療の充実をどうすすめるか。
…外国の人が抱える課題を自治会やまちづくり協議会が協働で解決するような仕組みがいる。
…海外に出かける若者を対象に、鈴鹿市に暮らす外国の人たちと出会う場をつくっている。
…外国の人を国籍だけでみるのではなく、実習生なのか、留学生なのか、
 日本で生まれた人なのか、定住されている方なのか。どのような状況にあるのかを知る。
 バックボーンによって課題や必要なことが違う。
…夏休みや冬休みの子ども達の居場所が必要。
…三重の外国の人たちの暮らしのモデルを示し、情報共有をすすめたい。
…「地域で共に暮らしている」という日本人、外国の人、双方の意識が大切。

今回のメインテーマとなったのは「企業(事業者)へのアプローチ」です。
鈴鹿市にはいくつかの大企業がありますが、外国の人を直接雇用している
大企業は少なく、多くが下請会社への人材派遣といった雇用形態です。
・外国の人を雇用している企業や派遣会社がどのように外国の人たちに接しているのか。
・入社する時の仕事上のオリエンテーションはあるが、
 生活全般におけるオリエンテーションはされているのか。
・社内コミュニケーションは十分にされているのか。
・外国の人の悩みや相談窓口はあるのか。
・外国人といっても、永住・定住している人、実習生のような在留期間のある人など多様であり、
 企業はどのように外国の人を雇用しているのか。単なる労働力としてしか見ていないのではないか。

たくさんの意見、疑問が出されました。また、

・企業も悩みながら採用している。雇用保険、社会保険など社会保障を
 企業担当者が学べる場を作ることが必要ではないか。
・外国の人を対象にした社員教育の内容への提案が必要ではないか。
・外国人労働者への待遇が良い企業と対話することが大切ではないか。
・鈴鹿にはモデルケースとなる取組みがあるのではないか。そのモデルケースの周知をしてはどうか。

といった提案もありました。

今回のダイアログに「企業が参加していないこと」が、
交わされた意見、課題を顕著に示していました。
“重要なステークホルダーが参加していない”。
外国の人の暮らしの多くの時間を費やしている
労働、雇用の場にもっとフォーカスをして、外国の人の暮らしを
捉えなおすことの重要性に気づかされました。
少子高齢化の日本社会においては、外国の人の労働力は大切です。
そしてその前提に、外国の人の日本社会における生活や
人権の保障を置き去りにすることはできません。
外国の人の自立を導くことも重要課題です。
外国の人の人権、生活が守られる暮らし、地域を一緒にどのようにつくっていくか。
今回話された重要な課題を改善するために、次に展開すべきことが見えてきました。

【企画概要】
日時:2023年3月18日(土)14:00~16:00 
場所:鈴鹿市男女共同参画センタージェフリーすずか 研修室B

≪ステークホルダー≫             
・NPO法人愛伝舎 理事長 坂本 久海子さん
・NPO法人Shining 理事長 岡田 聖子さん
・牧田地区まちづくり協議会 多文化共生委員会委員長 伊藤 輝義さん
・鈴鹿大学国際地域学部准教授 桟敷 まゆみさん
・皇學館大学学生 西堀 晃太さん
・公益財団法人鈴鹿国際交流協会 川出 薫平さん・Chicoさん
・公益財団法人三重県国際交流財団 常務理事 事務局長 山岡 哲也さん

≪一般参加者≫ 4名

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