【ステキなBOOK 第7回】

お金と組織に依存しないで豊かに生きる「自立心を磨く」
著者:藤村靖之
発行:而立書房

今回は2020年初版の面白い本を見つけました。
最近またキャンプブームだそうです。昔は、キャンプ用品を購入するには現物を専門店で見て選びましたが、今はネット通販により、商品を見比べながら自宅で簡単に注文できます。
そして、タレントのYouTubeやブログによる発信などから、キャンプが初めての人でも簡単に情報が集められます。
それもブームを盛り上げるきっかけになっているのではないでしょうか。

この本はキャンプの解説書ではありません。日常から解放されたい人が求めているものが何なのか、をていねいに紹介しています。日常の生活を見直すことにより、自立する力をつける本です。
著者がプロローグに次のように書いています。


自立力の中身は、
『自給力』=食べ物・住まい・エネルギーなどを自分で愉(たの)しく作る力
 『自活力』=仕事を生み出して必要なお金を愉しく稼ぐ力
 『仲間力』=仲間をつくり、仲間と愉しく生きる力
 の三つだと僕は思う。資本主義が破綻しても力を失うことはない。

そして、具体的に「自給力」を育む方法を教えてくれます。

・非電化商品の発明・開発
・お金と組織に頼らず豊かに生きる
・食料(作物を育てる・食べられる野草を摘み、釣り、狩猟をする)
・水(雨水、井戸、湧き水、節水)
・家(小屋、補修、DIY)
・エネルギー(太陽光、太陽熱、薪ストーブ)

どこまでできるか、試したくなりませんか。

そして、著者から教えられたこと。

自活力を育むには、
・月3万円のビジネスを複数持つ。
・時間を増やす、支出を減らす、借金・固定費をゼロにする。

仲間力とは、
・仲間がいないと生きていけない。
・夢が無ければ仲間はできない。
・夢をクリエイトする。
・仲間と考え方と行動を一致させようとせず、心を広く持つ。

自給自足の考え方は、
・循環型のライフスタイル
・自然の恵みで生きる
・ぬくもりのある家
・エネルギーと水のつくり方を知る

愉しい仕事を生み出すには、
・好きなことを仕事にする
・複業で愉しい人生を実現 

そして、仲間と技術は一生の財産、と書かれています。

資本主義にどっぷり浸かり、SNSやらAIが迫ってくる時代に「自給自足」や「愉しい仕事を生み出すこと」は容易ではありません。でも、人間の体と心がホッとする時間と空間が生まれてきそう…。


この本のアイデアの一つでも実現してみませんか。仲間の大切さを感じませんか。そうすれば、ちょっとだけ生きかたが変わるように思います。そんなことを気づかされる一冊です。

目次