【ステキなBOOK 第15回】

誰も断らない 
こちら神奈川県座間市生活援護課

著者:篠原匡 朝日新聞出版

神奈川県座間市は、県の中心部に位置する人口13万人ほどの自治体です。
そんな座間市の市役所にある生活援護課では、「断らない相談支援」を理念に掲げ、生活保護に関わる行政事務に加えて、困窮状態にある人やその一歩手前の状態にある人の把握と支援を行っています。
また、「チーム座間」というネットワークを構築し、市役所と地域で活動するNPOや社会福祉法人、企業が連携して困窮者支援を行っています。

この本では、座間市生活援護課とチーム座間が対応した支援事例や職員の方のインタビューが収録されており、「誰も断らない」支援のためにどのように地域一丸となって動いているのかを知ることができます。
縦割り行政の中で取りこぼされてしまう困窮者をどう見つけて支援に繋いでいくのか、困窮者とどのようにつながりを持って地域で支えていくのかが記されています。

支援事例を読んでいくと、人によって置かれている状況はまったく異なり、どこかにお願いして終わり、ではないことに改めて気づかされます。少しずつ進むこともあれば、どこかへ逸れてしまう、はたまた振り出しに戻ることも。目の前の人には何ができるか、毎日試行錯誤しながら職員は支援を続けていることが伝わってきます。

「『誰も断らない』は本当に可能なのか?」そう思った方はぜひ、読んでみてください。

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