2022年度のグローバル市民講座は平和がテーマです。
「核兵器のない誰も取り残さない世界を」と題して
NPO法人ANT-Hiroshima理事長の渡部朋子さん、
ひろしまNPOセンター専務理事・事務局長でもあり、
G7市民社会コアリション2023共同代表の松原裕樹さん
をゲストにトークセッションを行いました。
渡部さんの、やわらかい口調で一つひとつの言葉を
大切に、力強く話される姿がとても印象的でした。
お話頂いた内容を、少し紹介します。
核兵器禁止条約を市民活動でどう活かすか。
2022年1月に発効されました。日本は批准していません。
日本が批准するために、日本のNGOがどう動くかが重要です。
世界の68の国が批准しています。
日本は、戦争をしない国でしょう。
どうして、条約に批准しないの?この問いが大事。
三重の議員に聞いてみたことはありますか。ぜひ、聞いてみてください。
私たちでつくる「核兵器の終わりの始まり」。
ノーベル平和賞受賞の時に、サーロー節子さんがスピーチでこの言葉を発しました。
「核兵器の終わりの始まり」は誰かがつくるものではない。
私たちがつくる。私たちでしかつくれない。
私たちとは、今を生きる私たち、子どもも、です。
広島・長崎を昔のことだと思っている人がいますが、
私たちすべてが被爆者になるかもしれない。
そして、被爆者になったときに、最も苦しむのは女性と子どもです。
放射線が与える影響が大きいというデータが出ています。
核実験、最初はアメリカの砂漠で。そこには先住民族の暮らしがありました。
ウランを掘っていたのはオーストラリアのアボリジニ、先住民族。
ウランを掘る作業で放射能を浴びました。
被爆者は広島・長崎だけではない。世界にいます。
社会で最も苦しんでいる人に核の被害があります。
市民活動をしている皆さんが日々接している人たちかもしれません。
人間だけでなく、すべての生き物、命が脅かされます。
核兵器禁止条約は、私たちと私たちの暮らしを脅かしていることを知らせています。
過去の話ではなく今、未来の話。
これからの市民活動のために
1.日本で団体や個人がゆるやかにつながり、情報交換する場をつくろう
2.大学・研究所等の力を借りよう
3.被爆者と若者がタッグを組んで国内外に発信しよう
4.広島・長崎・東京・三重がもっとつながろう
5. 日本と世界がつながろう
6.日本政府に働きかけよう ex)議員ウォッチをしよう。
4に三重を入れたのは、一つはサミットの先輩であり、
東海でつながってネットワークをつくっているから。
二つめは、なんとなく核兵器のことが遠いと思っているのではないかと感じたからです。
広島、長崎に行ったことがありますか。核兵器が暮らしや未来に影響すると
考えられない環境にあるのではないかと思ったからです。
今日が考えるきっかけになるといいと思っています。
みんなで知って、学んで、考えていくことが始まるといい。
次に、松原さんの話された内容を少しご紹介します。
C7は世界中の市民社会が組織するCivil7のこと。
G7に向けて市民社会からの声、提案を届けています。
2023年5月にG7が開催され、今回初めて核兵器廃絶のワーキングが追加されました。
G7市民社会コアリション2003を全国のNPO・NGOと立ち上げ、提言づくりを行っています。
誰でも参加可能。核のない、誰一人取り残さない、持続可能な社会に向けて、をメッセージとしています。
広島市民社会サミット(仮称)は4月16日・17日で開催予定。
現在、運営に参加したい団体や個人を募集しています。
広島では首脳会議が行われますが、各地で関連閣僚会合が行われるので、ぜひ参加してください。
地球全体の未来の指針のために、市民の声を届ける、
グローバルとローカルの社会の担い手がつながり、
思いや活動を次世代に継承できるよう、活動していきます。
セッションでは、参加者のみなさんからの感想や質問にも丁寧に答えていただきました。
・高校生でもアクションを起こしていきたい
・はだしのゲンの紙芝居の読み聞かせ、地道に続けていきたい
・核兵器や反原発、紛争に関する活動を続けているが、何度も心が折れる。そんな時どうしていますか。
・核兵器の威力が広島・長崎に投下された時よりも進化してしまっていることに驚いた。
なぜ、そんなことができてしまうのか、、、
最後に、参加者一人ひとりに書いていただいたアリさんメッセージを一部ご紹介します。
「核兵器廃絶に向けて、私にできること」
・核兵器がもたらす苦しみ、悲しみを忘れず、反対する意思を示し続ける
・すべての社会問題はつながっている。自分の得意分野を生かして活動しよう。
まずは小さなコミュニティづくりから
・軍事費増大にあきらめ悪く反対し続けます!
・原爆、平和についてのニュースをもっと知る!同世代の人たちに負けないぐらい
自分にできることを行動に移す!!平和の大切さ、原爆の怖さを伝える活動に参加する!
・学んで伝える!!
・私は、世界の若い人とつながっていく。
・自分が学んで一人でも多くの周りの人に知ってもらう
・紙芝居(全5巻)「はだしのゲン」を読み、語り続けていきます
・実体験、声を聴く、伝える。一歩一歩
・自分が使っている銀行が核兵器関連の企業に投資していないか確認してみます
・5人の孫に、今日の話をします。
「平和のために、あなたは何ができますか。」
概要
日 時:2023年2月23日(木・祝)13:30~16:00
会 場:みえ県民交流センター交流スペースA
主 催:みえ市民活動ボランティアセンター
共 催:東海市民社会ネットワーク・生活協同組合コープみえ
参加者:27名(一般参加者18名 スタッフ9名 / 会場24名 オンライン3名)
取 材:NHK広島放送局
下記も、ぜひご覧ください。
●ANT-Hiroshima制作動画
ヒロシマ、声 Youtube
●NHK広島放送局G7特設サイト
NHK広島放送局G7広島サミット